イベント情報(詳細)

イベント名令和4年度 第2回 先読みシミュレーション グループ フォーラム
「データサイエンスを活用した工学シミュレーション」
開催日時2022年4月1日(金)13:00 – 17:00
開催方式WEB講演形式
申込方法下記ホームページより参加登録
https://forms.gle/Qoc55NYrhSsGR5rY7
申込締切2022年3月29日(火)17:00まで
問合せ先大阪大学 大学院工学研究科 附属フューチャーイノベーションセンター
   MAIL:holy@smso.eng.osaka-u.ac.jp(岩堀)
大阪大学 大学院工学研究科 物理学系専攻 教授 森川 良忠
   MAIL : morikawa@prec.eng.osaka-u.ac.jp
参加人数約70名

電子計算機と計算アルゴリズムの発展により、大量のデータの創出・蓄積とデータの解析による新たな知識や価値の創造がますます期待されるようになってきている。実際、このようなデータ駆動型のAI・データサイエンスの研究手法はさまざまな分野で活用されている。今回の「先読みシミュレーション」フォーラムでは、工学分野で機械学習法を活用した最先端の研究事例について紹介していただき、工学におけるデータサイエンスを活用した研究の現状と課題、今後の進むべき方向性や必要な環境整備、連携の可能性などについて討論し、この分野をさらに発展させることを目指す。

【プログラム】

開会挨拶:桑畑 進 大阪大学 大学院工学研究科長

趣旨説明:森川 良忠 大阪大学 大学院工学研究科 教授 /「先読みシミュレーション」グループ長

「深層強化学習を用いた折れ曲がり翼の形状最適化」
岡林 希依 大阪大学 大学院工学研究科 助教

「機械学習を用いたFe-C 合金の第一原理計算精度原子間ポテンシャルの開発」
劉 麗君 大阪大学 大学院工学研究科 助教

「ガウス過程回帰と進化的アルゴリズムを用いた物質構造探索」
濱本 雄治 大阪大学 大学院工学研究科 助教

「数理・データサイエンス・AI エキスパートコースの開講に当たって」
鈴木 貴 大阪大学 数理・データ科学教育研究センター 特任教授

「プラズマプロセス科学の機械学習応用」
幾世 和将 大阪大学 大学院工学研究科 研究員

「『富岳』を用いた磁性材料の探索とデータ解析」
福島 鉄也 東京大学 物性研究所 特任准教授総合討論

閉  会

「先読みシミュレーション」グループの第二回グループ・フォーラムが開催された。本グループは昨年度に「物質・材料科学研究推進機構」との合同フォーラムとして、幅広い研究分野(10分野)の顔合わせ、キックオフを目的として開催した第一回フォーラムとは趣を変え、研究テーマをデータサイエンスと工学シミュレーションに絞り、さらにグループに所属している若手研究者を中心に最先端研究の紹介と展開を主な目的としている。

コロナ禍の第6波の影響もあり完全オンラインでの開催となったが、研究テーマが非常に興味深く先進気鋭の若手研究者中心ということもあり、70名を越える参加登録をいただいた。特に、企業の方の参加も非常に多く、非常に多くの人が興味を持っている重要なテーマであるということが伺えた。

フォーラムでは、まず4/1より新しく工学研究科長となられた桑畑教授のご挨拶があり、引き続きグループ長であり、フォーラム主催者である森川教授よりフォーラムの趣旨説明とグループの紹介が行われ、本日のフォーラムでは、データ駆動型のAIデータサイエンス研究手法について、特にその中で近年各方面から注目されている「機械学習」を様々な分野で活用した最先端研究に着目したフォーラムである旨の説明があった。

次に工学研究科物理学系の助教である岡林先生より、機械学習を活用した飛行機の折れ曲がり翼の形状最適化について、シミュレーション結果と最適翼についての発表があった。次に物質とシミュレーションとの関係について同じく助教の劉先生よりFe-C合金の原子間ポテンシャルにおけるシミュレーションについての研究成果発表があり、引き続いて同じ工学研究科助教の濱本先生よりアルゴリズムを用いた物質構造の探索という内容で、シミュレーションで物質構造の最適解を探索するというご講演をいただいた。どの講演についても、元素や物質の構造とシミュレーションの関係する非常に興味深い研究結果であるため、オンラインのチャットや挙手機能等を活用し、多くの質問がされた。

休憩を挟んで、後半はもう少し俯瞰的な見方をしている研究の紹介となり、大阪大学の数理・データ科学教育研究センターの鈴木先生がシミュレーションプロセス教育や仕組み作りのご講演をされ、またプラズマがご専門の工学研究科研究員の幾世先生がプラズマエッチングプロセスへの機械学習の応用についてご説明された。

最後に日本が誇るスーパーコンピューターの「富岳」を利用した磁性材料探索とデータ解析方法について、東京大学物性研究所の福島先生がご講演され、シミュレーションと機械学習の最先端活用について今までの研究成果のご報告をされた。

講演終了後、オンライン上で総合討論が行われ、各講演への質問のみならず、データサイエンスを活用した種々の研究の現状や問題点、研究環境、今後の進む道への検討等が討論され、多くの意見交換が行われ大盛況の内に幕を閉じた。

今回は、コロナ第六波のさなかでの開催であったが、コロナの影響を鑑みて完全オンライン開催として準備を行った事と、参加者や主催者等のご協力もあり、何事もなく無事に開催することができた。参加者の所属は大阪大学、企業、他大学、経産省等と様々な方々にご参加いただき、非常に重要で興味深いテーマのフォーラムであった。今後の本グループの展開に期待したい。

桑畑 研究科長のご挨拶
森川先生による趣旨説明
オンライン参加者の様子(一部)
講演の様子1(オンライン画面)
講演の様子2(オンライン画面)
講演の様子3(オンライン画面)