イベント情報(詳細)
イベント名 | 令和4年度 第1回 生体・バイオ工学 グループ フォーラム 「バイオデザインによる新しい医療・創薬・食の技術開発」 |
開催日時 | 2022年9月30日(金)13:00 – 17:00 |
開催方式 | ハイブリッド形式(対面形式とWEB講演形式を併用) |
開催場所 | 大阪大学 大学院 工学研究科 サントリー記念館(C3棟)5階 メモリアルホール |
申込方法 | 下記ホームページより参加登録 https://forms.gle/dZyawo59bY7nrmbe6 |
申込締切 | 2022年9月26日(月) 17:00まで |
問合せ先 | 大阪大学 大学院工学研究科 附属フューチャーイノベーションセンター フォーラム事務局(岩堀) MAIL : forum@cfi.eng.osaka-u.ac.jp 大阪大学 大学院工学研究科 応用化学専攻 教授 松崎 典弥 MAIL : m-matsus@chem.eng.osaka-u.ac.jp |
参加人数 | 約102名(うち対面参加約35名) |
イベント概要
ヒトiPS細胞による再生医療戦略の後、次のバイオ戦略として期待されているのがデザイナー細胞である。本アリーナでは、ゲノム編集技術にとどまらず分子技術、物理化学、情報科学、機械工学を駆使し、工学的に生体をデザインすることで生体分子や微生物、細胞、組織の機能を制御し、これまでに無い新しい医療・創薬・食に関する技術開発に対する挑戦を進めている。本フォーラムでは、バイオデザインに関する研究開発と未来のバイオモノづくりに対する議論を行う。
【プログラム】
開会あいさつ:桑畑 進 工学研究科長
フォーラム趣旨説明:松崎 典弥 教授 / 生体・バイオ工学グループ グループ長
講演
[座長]大洞 光司
LassoGraft Technology®による新規バイオ医薬品モダリティの創成
(大阪大学蛋白質研究所 高木 淳一 教授)
合成生物学による食の多様性の創出
(大阪大学生物工学国際交流センター 本田 孝祐 教授)
[座長]本田 孝祐
ヘムタンパク質を基盤とした人工金属酵素の設計と開発
(大阪大学工学研究科 大洞 光司 准教授)
ゲノム編集による天然毒素を減らしたジャガイモの作出
(大阪大学工学研究科 安本 周平 助教)
細胞環境デザイン組織工学による医・薬・食への応用
(大阪大学工学研究科 松崎 典弥 教授)
[座長]松崎 典弥
フォトニクスとバイオデザイン
(大阪大学工学研究科 藤田 克昌 教授)
骨基質配向性を考慮した骨インプラントデザインと臨床応用
(大阪大学工学研究科 中野 貴由 教授)
閉会あいさつ:林 高史 教授 / 大阪大学工学研究科附属フューチャーイノベーションセンター センター長
名刺交換会(対面)
イベント開催報告
本フォーラムは「生体・バイオ工学」グループの初めてのフォーラムである。近年注目されている遺伝子編集技術による細胞のデザイン化のように、細胞だけにとどまらず、抗体や酵素などのタンパク質、遺伝子、植物、医療機器など、生体・バイオに関わる分子・物質を工学的にデザインすることで、医療・創薬・食糧分野に変革をもたらす技術の開発が期待される。本フォーラムでは、各分野の最先端研究を行っている研究者による研究紹介と議論が活発に行われた。
桑畑研究科長の挨拶に引き続き、本学蛋白質研究所の高木先生よりLassoGraft Tehcnologyによる複数分子に特異性を持つ抗体のデザインに関する研究が紹介された。次に、生物工学国際交流センターの本田先生より、様々な酵素の特徴を活かしたシステム合成生物学による化合物生産の向上に関する研究が紹介された。同じくタンパク質のデザインとして、応用化学専攻の大洞先生よりヘムタンパク質のデザインによる人工金属酵素の開発に関する最新の知見が報告された。これらの分子レベルのバイオデザインに関して活発に議論が行われた。
また、もう少し大きなスケールとして、植物のデザインについて生物工学専攻の安本先生より報告された。ゲノム編集技術により天然毒素を減らしたジャガイモが作出できるとのことであったが、様々なシグナル伝達経路があるため詳細は更なる検討が必要とのことであった。細胞の化学的・物理的なデザインに関する最新の研究が応用化学専攻の松崎先生より発表された。移植医療だけなく、薬効・毒性評価にも有効とのことであった。また、新しい食糧生産として培養肉に関する研究についても少し紹介があった。
さらに、デザインされた細胞や分子を非侵襲で観察する技術としてラマン顕微鏡に関する研究内容が物理学系専攻の藤田先生から報告された。動物細胞を中心とした顕微鏡観察の内容であったが、微生物や植物の観察にも応用が可能であり、幅広い応用の可能性が議論された。最後は、マテリアル生産科学専攻の中野先生より、骨インプラントのデザインと臨床応用に関する研究が紹介された。骨基質配向性の重要性からインプラントの応力方向デザインによる生体親和性の向上に関する最新の研究成果が報告された。
最後に、附属フューチャーイノベーションセンター長の林先生から全体の総括と閉会の挨拶をいただいた。コロナ禍でのハイブリッド開催であったが、対面とオンラインの両方合わせて102名に参加登録をいただき、また参加者も大阪大学、他大学、企業と多岐にわたる方々に参加いただき、非常に重要で興味深いテーマのフォーラムであったことが伺える。
イベントの様子





