イベント情報(詳細)

イベント名テクノアリーナ「TranSupport」工学フォーラム「『新たな防災』を軸とした命を大切にする未来社会」
開催日時2022年12月22日(木)13:00 – 17:00
開催方式ハイブリッド形式開催(対面形式とWEB講演形式を併用)
開催場所大阪大学 吹田キャンパス 工学研究科内 センテラス3F センテラスサロン
申込方法下記ホームページより参加登録
https://forms.gle/UgsafC4sc3kxjL3K6
申込締切2022年12月16日 17:00まで
問合せ先大阪大学 大学院工学研究科 附属フューチャーイノベーションセンター
フォーラム事務局(岩堀)
   MAIL : forum@cfi.eng.osaka-u.ac.jp
大阪大学 大学院工学研究科 地球総合工学専攻 教授 土井 健司
   MAIL : doi@civil.eng.osaka-u.ac.jp
参加人数約96名(うち対面約35名)

今年度4月に発足した先導的学際研究機構「『新たな防災』を軸とした命を大切にする未来社会研究部門」は、大災害への対策を都市・地域の社会・経済・空間構造の未来を切り拓くものへと再編するための転換点ととらえ、学際研究と社会貢献の活動を開始した。この活動を進める上で、海域・陸域にわたる構造物・インフラ・モビリティと計画・デザインを扱う地球総合工学専攻には、大きな期待が寄せられている。今回のテクノアリーナフォーラムは、地球総合工学シンポジウムとしての位置づけも有しており、研究者のみならず、市区、都市圏、広域の行政に携わっている方々にも参加していただき、コミュニティ・産業・防災・環境に関する取り組みと課題について話題提供していただき、ラウンドテーブル・ディスカッションでは、命を大切にする未来社会とまちづくりを実現するために当専攻のメンバーが取り組むべきこと、取り組みたいことについて自由な意見交換を行う。

【プログラム】

開会挨拶:桑畑 進(工学研究科 研究科長)

趣旨説明:山中 俊夫(工学研究科 地球総合工学専攻長)

講演・話題提供

1. 堂目 卓生 「近代を超えて生きたい社会を考える」
(大阪大学 経済学研究科教授/SSI長/先導的学際研究機構「新たな防災」を軸とした命を大切にする未来社会研究部門部門長)

2. 木多 道宏 「場所・コミュニティ・地域の『いのち』を継承する『まちづくり』」
(工学研究科 地球総合工学専攻教授/SSI副長/「新たな防災」を軸とした命を大切にする未来社会研究部門副部門長)

3. 豊口 佳之 「災害が激甚化し、老朽化が進行する中での防災」
(国土交通省河川環境課長)

4. 城下 隆広 「関西広域連合における広域防災の取組み」
(関西広域連合広域防災局次長兼防災計画参事)

5. 山口 照美 「共助の機能する『居場所と持ち場のあるまち』へ」
(大阪市港区長/生野区政アドバイザー)

6. 筋原 章博 「衰退させない『異和共生』のまちづくり」
(大阪市生野区長/港区政アドバイザー)

ラウンドテーブル・ディスカッション

[討論者]

上記の講演・話題提供者 6名に加え

青木 伸一(工学研究科 地球総合工学専攻教授)

牧 敦生(工学研究科 地球総合工学専攻准教授)

[モデレータ]

土井 健司(工学研究科 地球総合工学専攻教授)

グラフィックレコーディングによる議論の可視化とまとめ

田中 友美乃(ビジュアルプラクティショナー)

閉会挨拶:土井 健司(工学研究科 地球総合工学専攻教授)

「TranSupport」工学グループの通算5回目のフォーラムが開催された。本フォーラムは今までのフォーラムとは異なり、地球総合工学専攻からの発信ということで、専攻を中心に企画を行った初のフォーラムとなった。近年、様々な自然災害に対する防災や災害に強い街作りなどが中心テーマとなり、大学の研究者だけではなく、関西広域連合の方、大阪市の区長様等々、実際に街作りや防災に携わっている皆様の積極的な参加と講演があり、大盛況のフォーラムであった。

まず始めに桑畑研究科長によるご挨拶のあと、地球総合工学専攻長である山中先生よりフォーラムの趣旨説明が行われた。引き続き、経済学研究科の堂目先生により「生きたい社会」を考えるという演題で、社会や都市形成の理念や歴史、概念等を考えながら近代を越えてどのように社会形成していったらよいのかというご講演をいただいた。また、地球総合工学専攻の木多先生からは実際のコミュニティーや地域での「いのちを継承するまちづくり」として幾つかの例を踏まえながら、防災を意識したまちづくりの現状についてご講演をいただいた。その後、国土交通省河川局課長である豊口様からは災害の大型化や都市の老朽化が問題となっている中でどのように防災に取り組んだらよいのか、特に国からの視点でお話いただき、続いて関西広域連合参事の城下様からは関西広域連合における広域防災について多様な例と共にご講演いただいた。また大阪市港区長の山口様、大阪市生野区長の筋原様からはオンラインにて各区の現状と区における特長を生かした防災とまちづくりについて現状や目標をお話いただいた。

講演終了後、講演者、主催者、青木先生及び牧先生を加えた皆様で「ラウンドテーブルディスカッション」と題して総合討論を行い、モデレーターの土井先生の下、防災における現状や問題点、今後の防災やまちづくりにおける研究活動について総括を行った。この「ラウンドテーブルディスカッション」では、今回初めての取り組みとしてビジュアルプラクティショナーの田中様にもご参加いただき、討論で出て来た様々な意見をリアルタイムで関連づけZoom上で可視化、配信するという新しい取り組みが行われ、非常に多くの方に興味を持っていただき、とてもわかりやすいと大評判であった。

今まで「TranSupport」工学グループは様々なフォーラムを開催しているが、今回は今までのフォーラムとは異なる切り口と工夫したフォーラムの開催方法により、研究者同士の融合だけではなく行政や他部局をも巻き込んで問題意識の共有と研究融合の促進、問題解決のための糸口の探索を行った。参加者数は100名にせまる勢いで、大学の研究者だけでなく行政の担当者や産業分野、企業からの参加者も非常に多く、日本や世界が直面している課題の大きさを感じるとともに、非常に重要で興味深いフォーラムであった。

桑畑 研究科長のご挨拶
山中先生による趣旨説明
司会及びモデレーターの土井先生
対面会場の様子
対面会場の様子
オンライン講演の様子(大阪市港区長 山口様)
ラウンドテーブルディスカッションの様子