中性子吸収材の添加によるTRU核種の生成量抑制

竹田 敏

竹田 敏 TAKEDA Satoshi

環境エネルギー工学専攻 准教授
量子エネルギー工学講座 原子力社会工学領域 北田研究室

キーワード

原子力、核変換、中性子吸収剤

ここがポイント!【研究内容】

ウラン燃料におけるTRU核種の生成量抑制に向け、中性子吸収材の添加に着目した研究を実施している。特に、Pu238とPu241は潜在的放射性毒性の高いTRU核種であることから、これらの核種の生成経路を調査し、関連する核種の反応率を低下する中性子吸収材を明らかにした。この検討において、Dy162とEr162は、U236との中性子捕獲反応を大きく抑制し、結果としてPu238の生成量を低減することを明らかにした。これは、U236の中性子捕獲反応が主に5.5eV付近の共鳴によるものであり、この共鳴による中性子捕獲を同じく5.5eV付近に共鳴をもつDy162とEr162が抑えるためである。

応用分野

原子力発電、再処理

論文・解説等

  • [1] Satoshi Takeda, Takanori Kitada, Journal of Nuclear Science and Technology, 57(1), 57-67, 2020.
  • [2] 日本原子力学会 炉物理部会賞(奨励賞) (2020年)